犬絵画

いつでも

どこにでも

外へも

中へも

地球の子宮へ

人類の大地へ

付け根の鼓動で

時の皺を刻み

色とりどりの血を滲ませる

黄金の息を忍ばせて

見えないスカーフを手にする

時間を賭けて

バケツのインクに筆を捻じ入れ

空に浮かんだクジを引く

音の兵隊は

列から隠れ

食道を滑り昼間の街に星を振りかける

こころのままに従って

こころのナマに従って

鳴くように

喚くように

檻が揺れるように

天使の羽

イルカのヒレ

かたちはバラけ

部品は鳴き出す

化身の模様が浮かぶシャツ

偶然の楽譜の

自然の記録の

動物の模様の

心臓の額縁の

その中の犬が吠える