囚犬イヌ公

黄色い目の雨が降る夜

眼球気球地球全てを担う雨のゼリー

不穏も希望もデニーズのパフェの中

蟻地獄のトラウマを傘の柄にして

下町と呼ばれる大地を踏み均す

明日は来ないが

昨日も来ない

壊れることのない心臓が

毒と独でわたしを支配する

肥やしのような位牌を白米に振りかける

方張る僕と飲み干す君の朝

どこにでもいける豚の足と

カカシになった小さな蝙蝠の宴

いつまでも月を見る

傷だらけの月を見る

夜明けだって時を浴びて黄昏る

終わりの味が僕らの目覚まし時計

仕掛けられた爆弾を愛撫

水道橋はそろそろ始発の時間