2019-03-29 紅い犬 詩 偶然の皮に包まれ 積年の骨を包みし 我が生肉の臓音 球体を転がし 同類へ繋ぐことできず 空気を震わすことできず 寡黙な本能は諦めて眠る 言葉を刻んで差し出して 祓える限りの鈍みを取り除き 滲み残る穢れを残したままで白皿へ盛る 言葉を配列する 透明になるまで濾した血と熱を動力に変え 隠された抑圧からの逃避口を目指す 噂を疑え 答えを疑え 宇宙を疑え 獣が呻く 知が踊る 我が名は紅い肉 豚