犬クスリ

 

泥濘の重みを両足に履いて

雲ひとつない空の下

銀行へ野暮用

裏通りにも堅気だらけ

途中の駅で

気力なく

階段選べず

昼間に街を彷徨く理由を偽り

目的を終える

茶店でいつもの珈琲

いつもの顔と馬鹿話

生存方法

伊集院光

巻き起こる春風

脳の草むらなびくクローバー

黄色も白も増える海辺の昼

会話がクスリ

何よりクスリ

ラベルも中身も変えながら

わたしはいつでもカンバセーション中毒

副作用は生存

 

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