2019-04-05 虹の犬 詩 いい瞬間だけを閉じ込める 虹色の生地に閉じ込め焼き菓子にする 不安は蟻が担いで持って行く 理解の中に滲む汗 冷静の灼熱 不安は犬で 無心は猿だ 否認の低音 他人の和音 理屈に浸かったたくわん 名前だけ新しい駅 夜でも朝でもない無人島のにおい 尽きても果てても無尽蔵のにおい 夕方にもなれない匂い アパートの天井に映る海 陽ざしを歩く魚のように生きる 歯車の凹凸が消える 味のない悪夢をココアに溶かして飲んだ 孤独は盲目のゼラチン 紅茶色の雲 長居してきた社会から席を立つ 絶対に帰る 動物に帰る 家のない頃に帰る