犬電話

 

黒い食堂と無色の心臓

血を測る温度計は壊れた洞穴からの声

それは毛むくじゃらの声

チカチカ点滅する声

空気の薄い森へ招待する声

砂時計を逆さまにする声

信じる声

信じられない声

今も振り絞れない声

脱ぎ捨てられない声

命を縫った熊の額に落とした涙が染み込む森