犬の目覚め

見栄と上着を脱ぎ捨てる

ひとりの夜にひとりの湯に浸かる

今は一本調子の歌と言葉に実が成る日まで

犬という管を何度も鳴らす

犬という牙を何度も研ぐ

散歩をするように白紙に足跡を残す

珈琲を飲むように舌と喉に灯す

カーテン越しに血を沸かす

真っ白な太陽の熱が燃え滾る

昨日までの場所は何処かに溶けていく

今日を濡らす雨のために目覚める

操縦できない今日に跨る

明日を忘れて銀河を駆け回る

近くと遠くの人へ吠える

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