2019-04-09 犬の目覚め 詩 見栄と上着を脱ぎ捨てる ひとりの夜にひとりの湯に浸かる 今は一本調子の歌と言葉に実が成る日まで 犬という管を何度も鳴らす 犬という牙を何度も研ぐ 散歩をするように白紙に足跡を残す 珈琲を飲むように舌と喉に灯す カーテン越しに血を沸かす 真っ白な太陽の熱が燃え滾る 昨日までの場所は何処かに溶けていく 今日を濡らす雨のために目覚める 操縦できない今日に跨る 明日を忘れて銀河を駆け回る 近くと遠くの人へ吠える