2019-04-18 自然犬 詩 英語と肉球を翻訳する朝 バターの香りと度胸あるペンギンに 「おはようございます」 全粒粉パンは冷凍庫に整列している そんな朝には五穀米とふきのとうと味噌汁 糸口はない 瞼を濡らす雨はない 名も知らぬ花が咲いている 珈琲を今日も淹れる 晴れた日を思い出して ガテマラとタンザニアをブレンド 縁が欠けたマグカップは人間そっくり あなたとわたしにそっくり その穴は裏口 靴を脱いで潜入 あなたを知りたいとは言わない あなたを助けるとは言わない 裏庭で遊ぼう 裏庭で話そう 口実の柄を見せ合おう ふたりきりの星の裏