2019-04-12 視聴会犬 詩 白黒映画とメルヘンが空の梯子から降りてくる 二匹の星と目が合う葡萄のステージで 秘密の箱の鍵を解いて 薔薇の穴の名を叫ぶ 土の匂いに溢れ出す微生物 死を恐れる欲望が目を覚ます 地平線では昼間の太陽が踊りだす 滑らかな涙で錆びた車輪が回りだす 梶の葉の上の天使が俄雨を笑ってる どこにも行けない私の私小説 堂々と生きる私の非小説 いつでも準備はできている わたしをわたしに集め直す 奇跡はいつでも苦い一瞬 奇跡は毎日続く 灼熱を忘れぬよう移動式の犬小屋で吠え続ける